「アポ電」強盗殺人事件

特殊詐欺のアポ電が強盗殺人、被害に遭わないよう呼び掛け強める

2019年2月28日、東京都江東区東陽の自宅マンションで一人暮らしをしていた加藤邦子さん(80歳)が所持金について確認するアポイントメントの電話を受けた後に殺害された。

強盗殺人等の疑いで無職の須江拓貴(22歳)、土木作業員の小松園竜飛(27歳)、無職の酒井佑太(22歳)が逮捕された。

犯行の経緯や動機

犯人グループのリーダーである須江は去年まで長野県佐久市の自宅に住んでいた。酒井とは高校の同級生である。

須江は背中一面と肩に刺青があり、地元の長野で暴走族に入っていたが18歳頃に抜け、更に窃盗、恐喝、傷害等を日常的に行うようになった。過去にも逮捕された経歴がある。

2018年10月、交際相手に対するDVとストーカーの容疑で逮捕されている。

2019年2月28日午前、犯人ら3人は加藤さん宅に侵入して手足を粘着テープ等で縛り、口を粘着テープで塞いだ上で殺害。金品の発見には至らず、証拠隠滅のためインターホンを破壊して逃走。加藤さんの死因は窒息死とみられる。

同日午後、ケアマネジャーの女性が部屋を訪れて遺体を発見。マンションの防犯カメラに犯人グループの3人組が出入りする様子が残されていた。

事件前、被害者の加藤さんは「お金はありますか」という不審な電話を受けたと知人男性に相談しており、これが、強盗の標的となる家の資産を確認する「アポ電」だったと思われる。

2019年に入り、渋谷区の高齢者宅でアポ電の後に3人組の男がインターホン越しに来客を装って玄関を開けさせて押し入り、住人の手足を縛って室内を物色し現金などを奪う同様の強盗事件が2件発生していた。

車両の通行記録の一部が渋谷区で起きた同様の手口の強盗事件と共通している。

犯人らは神奈川県を経由して長野県に逃走したが警視庁により強盗殺人の容疑等で逮捕された。

調べに対し3人は容疑を否認。また事件当日の未明に長野県内の店舗で起きた窃盗事件にも関与した疑いがあることが判明、警視庁は渋谷区で発生した2件の強盗事件との関連を含めて捜査。

判決とその後

2019年4月4日、東京地検は3人を強盗致死と住居侵入の罪で起訴。

その後、須江と小松園は同時期に渋谷区で起きた強盗事件において再逮捕。余罪を追求されている。

アポ電を利用した犯行は元々振り込め詐欺等の特殊詐欺で被害者を騙す際に用いられていた手口で、須江らの起こしたアポ電強盗は、その手口から派生した犯行の一つと見られており高齢者への呼び掛けを強化している。