元警察官連続殺人事件

左遷に怒った元警察官、強盗殺人繰り返し死刑

1984年9月4日午後1時、京都市内でパトロール中の警察官が何者かに襲われナイフで刺殺された。

4時間後、大阪市内のサラ金、ローンズタカラ京橋店において、店員がカウンターに現れた男にピストルをつきつけられて射殺され、男はその場を逃走した。

翌日、千葉県内で元京都府警巡査部長・広田雅晴(41歳)が逮捕された。

犯行の経緯や動機

1978年3月、広田は西陣署勤務から派出所勤務に異動通知を受け、左遷と受けとめた。以降、西陣署長を恨むようになる。

この頃より広田はギャンブルにはまり、サラ金に多額の借金をつくった。

7月17日午前8時30分頃、夜勤明けで非番となった広田は西陣署に自分のピストルを返しに行った。拳銃の出し入れは幹部立会いのもと行う規則であったが、広田は1人で入り、同僚のピストルを盗んだ。

盗んだ銃を使い郵便局強盗を目論むが失敗に終わる。動機として上司を困らせるためと供述した。しかし公判では犯行を否認、懲役7年となった。

加古川刑務所に6年間服役するも広田の考えは変わらず、同房者に出所したら警察に仕返ししてやると漏らし、獄中から手記を発表。内容は自分の無実を訴えるもので、警察への復讐心が綴られていた。

1984年8月31日、仮出所。

翌月4日、広田は京都府警西陣署十二坊派出所・鹿野人詩巡査(30歳)を京都府北区の船岡山公園に呼び出して持っていたナイフで鹿野巡査の腕や肩を16ヶ所刺した後、銃を奪って背中を撃ち逃走した。

その後、大阪に向かって喫茶店でかき氷を食べた後、都島区東野田町のサラ金ローンズ・タカラ京橋店で店員の鈴木隆さん(23歳)に銃を突きつけ金を要求、鈴木さんが冗談でしょうと言うと射殺、別の従業員から73万円を奪い逃走した。

その夜、広田は風俗店で遊び、従業員に着替えを買ってこさせて捜査の目をくぐりぬけようとした。

捜査本部は、1978年に広田が起こした郵便局強盗事件で検出された指紋などから2つの事件を広田による犯行と判断し行方を追った。

広田は千葉県成東町の実家を訪れたところを張り込んでいた警官に逮捕された。

判決とその後

広田は完全黙秘を貫き通し、凶器の短銃と奪った金の行方は不明となった。

1988年10月25日、大阪地裁は広田へ、犯行は計画的で残虐かつ冷酷であり、反省や悔悟の情が全く見られないとして死刑を言い渡した。

1997年12月19日、死刑が確定する。