福岡IT講師殺害事件

ネット上で迷惑行為の常習犯、垢BANに逆上して殺人

2018年6月24日、福岡県福岡市中央区大名の創業支援施設「福岡グロースネクスト」でセミナーを終えた著名なブロガーの男性Aさん(41歳)が無職の松本英光(42歳)に殺害された。2人に面識はなかった。

犯行の経緯や動機

被害者のAさんは東京都江東区のインターネットセキュリティ会社に勤務する傍らブログを運営しており、ネットに関する著書も出版していた。

犯人の松本は福岡県福岡市在住で、九州大学文学部で留年を繰り返し中退。2012年に勤務先の製麺工場を退職した後、アパートに引きこもってインターネットに没頭していた。

2016年頃から松本は、ポータルサイトはてなが運営する匿名掲示板「はてなブックマーク」や「はてな匿名ダイアリー」で複数のユーザーに誹謗中傷のコメントを送り、通報されアカウントが凍結されても新規のアカウントを再取得して同様の迷惑行為を行っていた。松本は中傷コメントに低能という表現を多用したため、他ユーザーより「低脳先生」との呼び名が定着していた。

2018年5月、前より松本から中傷を受けていたAさんはブログで、松本の行動と「低能先生」の呼び名を説明した上で、松本から被害を受けた場合は運営に「低能先生です」と書けば迅速に松本のアカウント凍結がされる事を紹介した。

逆上した松本は、6月24日にAさんが地元福岡市にある創業支援施設「福岡グロースネクスト」で開催されるセミナーに講師として来訪する事を調べた。

当日、松本は現地でAさんを待ち伏せし、セミナーが終了した午後9時に1階トイレで刃渡り16.5cmの包丁を使用しAさんを複数回刺した。Aさんはほぼ即死であった。

犯行後、出頭前に松本は「はてな匿名ダイアリー」に、自身を批判した他のユーザーらへ、「おい、ネット弁慶卒業してきたぞ」「おれを『低能先生です』の一言でゲラゲラ笑いながら通報&封鎖してきたお前らへの返答だ」という犯行声明ともとれる書き込みや、東京の「はてな」本社に向かおうとする計画だったが断念したこと、書き込みをした後で自首することを書き残した。

24日深夜、松本は凶器の包丁を持って交番に出頭した。福岡県警は殺人容疑および銃刀法違反容疑で松本を緊急逮捕した。

判決とその後

2019年11月20日、福岡地裁によって松本は懲役18年の判決を下された。検察、弁護側双方とも控訴せず確定した。