風俗嬢インスリン殺人未遂事件

2020年07月

国際見合い結婚夫婦の保険金を巡った殺人事件

風俗嬢インスリン殺人未遂事件とは、2004年に鈴木 茂さん(54歳)が、通常の10倍ほどの大量のインスリンを妻の鈴木 詩織さん(33歳)に注射され、脳障害を起こし、植物状態になり、そのまま入院したが、5年後の2009年7月26日に鈴木茂さんが亡くなってしまった事件の一般名称である。

事件の経緯や動機

2004年4月1日、実家にいた鈴木茂さんに、妻の鈴木詩織さんが風邪薬だといい、鈴木茂さんに睡眠薬を飲ませ、鈴木詩織さんは寝込んでいた鈴木茂さんに、通常の10倍にも及ぶインスリンを注射した。

翌日の4月2日、鈴木茂さんが意識不明に陥ったため、鈴木詩織さんが救急車を呼び、病院に搬送され、鈴木茂さんは一命を取り留めたが、脳障害を起こして植物状態になってしまった。

鈴木茂さんは、それ以来一度も意識が戻ることなく、5年4か月後の2009年7月26日に亡くなった。

この事件の背景には、鈴木茂さんが事件前に入院していた際に、鈴木詩織さんが受け取りとする生命保険が掛けられていて、それが原因だともされている。

謎の鈴木茂さんの両親殺人事件

1995年12月28日、鈴木茂さんの実家の母屋が全焼し、焼け跡から鈴木茂さんの母と父の遺体が発見された。司法解剖によると、鈴木茂さんの父は絞殺、母は撲殺されていた。

母屋の焼け跡からは、焦げた紙幣や、貴重品を入れた金庫などが発見されたことや、普段鈴木茂さんの実家にいる犬に異変がなかったことから、実家の事を詳しく知っている人物が疑われたが、証拠を上げることはできず、この事件は迷宮入りとなった。

そして、インスリン事件で鈴木詩織さんが逮捕された後、拘置所で夫の鈴木茂さんが犯人だという手記を書き上げている。

警察はインスリン殺人未遂事件の後、この事件についても再調査している。

事件のその後

鈴木茂さんは入院していた時に、鈴木詩織さんのお金への執着な性格を危険視して、「もし自分になにかあったときには、解剖し、財産や子供をすべて任せる。」と鈴木茂さんの弟を中心に、親族に話していたため、鈴木茂さんの親族が先に、口座や土地を押さえていたため、鈴木詩織さんは、鈴木茂さんの口座からお金を引き出したり、土地を売ったりすることは出来なかった。

鈴木茂さんが植物状態に陥ったことを不審に思った親族は、警察に調査を依頼したため、鈴木詩織さんは、「茂さんの面倒は頼みます。」と言い残し、千葉から浅草に逃亡し、風俗嬢、源氏名「サクラ」として働き始めた。

ここで鈴木詩織さんは、約1000万円をかけて全身整形をし、抜群のプロモーションで、人気風俗嬢となり、自分の店を持つまでになるが、以前浅草で鈴木茂さんに熱湯を浴びせ、障害を負わせた事件の容疑で、2006年2月7日に逮捕された。

そして、インスリンで鈴木茂さんを殺害しようとした殺人未遂罪でも逮捕された。

鈴木詩織さんの日本への憧れ

鈴木詩織さんは、もともと中国の黒竜江省出身の中国人だった。

1993年にお見合いパーティーに参加し、21歳年上の鈴木茂さんと結婚する。

親子に近い年齢差がありながら結婚した理由は、中国の家族に対する仕送り、自らが日本に行けば贅沢な暮らしができるという願望を抱いていたためである。

実際に鈴木詩織さんは、裁判で「中学の時にテレビで日本の番組を観て、日本への憧れと、女性の優しいしゃべり方、全てを心から好きになりました。日本では毎日着物を着て、緑の木々や花の中を歩き、和室で生活……そう私は想像していました」
と、日本への偏った偏見を持っていた。

だが、鈴木茂さんの実家は千葉県の50戸ほどしかない静かな田舎にあり、鈴木詩織さんが抱いていた願望とはほど遠いものだった。

裁判の様子

鈴木詩織さんの一審は、千葉地裁で行われた。

実際に、裁判を傍聴した人が、「どんな恐ろしい嫁が法廷に現れるのかと思いきや、想像を遥かに超える可愛さで、基本通訳が彼女の中国語を日本語にして公判は進んでいたが、時折彼女が話すたどたどしい日本語がより可愛さを増長させられている。」とブログにつづったり、廊下で「かわいいなぁ」と話し合うほど可愛く、男性陣は心揺さぶられたと傍聴席で裁判を見た男性は言っていた。

また、鈴木詩織さんが被告人質問で質問内容が子供のことに及ぶと、可愛らしく泣き出してしまい、公判が中断するなどのハプニングもあった。

鈴木詩織さんと鈴木茂さんの間には、一審当時、2人の幼い子供がいて、黒竜江省に詩織受刑者が預けて送金をしていた。

鈴木詩織さんは被告人質問中、夫の鈴木茂さんとの夫婦仲について聞かれ、「茂さんと20歳差……これだけ離れてるから大事にしてくれると思っていたけど、そうではなかった。茂さんは私にとって初めての男性……夜の生活は、日本の生活の中で一番苦痛でした。次に苦痛だったことは、ある年寄りのじいさんが、人の前で私の尻を触ったこと。『茂は金くれないだろ、私と1回ヤれば10万あげるから』と言われて、ココから離れたいと思いました。ほかには、茂さんのおばさんがたくさんいて……親戚関係にうんざりしていました」

と語り、裁判中、鈴木詩織さんは何度も、「千葉を離れたかった」と言っていたとされている。

鈴木詩織さんにインスリンを提供したとして罪に問われた別の女性は、「詩織受刑者は夫とは好きで一緒になったわけではないけど、努力したと言ってました。でもすごい嫌だと聞いたことあります」と詩織さんをかばい、周囲からは夫婦仲は良く見えた、などといった声もあった。

そして、インスリン注射の犯行については、「子供の親権が欲しかったので、薬を打って体を弱らせようと思っていました。……植物状態になる薬だとは思っていませんでした。」

と言ったそう。

判決

2007年3月9日、千葉地裁は傷害と殺人未遂で鈴木詩織さんに懲役15年の判決を言い渡し、2020年7月現在も服役中である。