石川県金沢市ガールズバー経営者殺害死体遺棄事件

金は命よりも大切なのか。計画的で身勝手な犯行を犯した男たち

2018年10月9日、石川県金沢市にあるガールズバーを経営していた喜多あき乃さん(当時30歳)が殺害・遺棄された事件である。

事件の経緯と詳細

2018年10月19日、帰宅時間になっても帰らない事から、不審に思った親族が行方不明届けを提出し、警察がすぐに捜索を開始した。

捜索開始直後に、彼女の自宅付近で血痕を発見したため自宅に設置されていた防犯カメラを確認したところ、その映像からある人物が割り出された。

その防犯カメラに映っていたのは、喜多さんの店の従業員の佐藤祐樹(当時27歳)、自称大阪市浪速区飲食店従業員(※あき乃さんと関係のある飲食店の従業員)の岡本充治(当時44歳)の2人だった。

警察が取り調べたところ岡本が殺害への関与をほのめかし、あき乃さんを遺棄した場所の供述を始めた。

10月14日、逮捕された佐藤と岡本の供述のもと、あき乃さんを捜索すると、自宅から北に約100km離れた山林で遺体となって発見された。

司法解剖の結果、首を紐のようなもので強く締められたことによる窒息死と判明。

その後、岡本への取り調べにて『複数名による計画的なもの』ということがわかった。取り調べでは、佐藤の他にも次々と共犯者が炙り出された。

喜多あき乃さんについて

あき乃さんは高校を中退した後、金沢市片町の飲食店で働き、その店で常連となっていた人物にスカウトされ、その後、ガールズバーだけではなく衣類のセレクトショップを開店するなど経営者として働いていた。

周囲のあき乃さんへのイメージは気さくで面倒見が良い反面、とにかく舐められたく無いと負けん気の強いところもあったそうだ。

そんな負けん気の強い性格から、あき乃さんは自身の事業を広げるために、本件の直前に経営していたガールズバーとセレクトショップを閉店し、大阪に出店しようと計画していた。

しかし、そこで一悶着があったそうだ。あき乃さんは知人に出店計画を依頼し、出店費用は賄えたものの2ヶ月分の賃金を未払いにしてしまっていた。

その賃金未払いの業務に従事していたのが岡本を含む、風俗店経営者・遠藤翼(当時28歳)と飲食店従業員の小杉義晴(当時22歳)であり、約束していた賃金が支払われないことは、彼らにとって死活問題だった。

遠藤翼の計画

その中でも遠藤は、あき乃さんから大阪の店舗を任されており、普段から金遣いが荒く、大金を掴めば一晩で使い果たしてしまうような人物で、事件の直前、遠藤が周囲に殺し屋を探していた。

遠藤はあき乃さんから大阪の店を任される立場についていたにも関わらず、仕事に対する意欲もなく、店の売り上げは赤字だった。そんな時に、あき乃さんからの電話がかかってきた際、店が暇だったことで「お前はクビや」と激怒される。

この事が最終的なきっかけになったのかはわからないが、遠藤は「あき乃を殺し、店の売り上げ奪う」と考え、その考えに佐藤、岡本、小杉も賛同した。

10月9日午後4時頃〜午後4時45分頃、金沢に集まった彼らは、あき乃さんを自宅前で襲い、遠藤の車であき乃さんを北へ約100kmにある石川県能登町の山林まで運び、穴を掘り遺体を埋めた。

本件が発覚したのはその直後で、すぐに彼らを特定し逮捕につながった。

10月11日、佐藤を傷害の容疑で逮捕。
10月13日、岡本を傷害の容疑で逮捕。
10月14日、岡本の供述からあき乃さんの遺体が発見。

10月15日、岡本を死体遺棄の容疑で再逮捕するとともに、捜査本部を設置、遠藤も死体遺棄の容疑で逮捕。その後の調査により、彼らが計画を立てて、あき乃さんを殺害した事が判明。

11月5日、遠藤と岡本が再逮捕、新たに小杉が殺人容疑で逮捕された。

判決とその後

本件を首謀した遠藤には懲役17年、殺人と死体遺棄の罪に問われた岡本は懲役15年、殺人ほう助などに問われた佐藤は7年、小杉は懲役10年という刑罰が言い渡された。

大村陽一裁判長は遠藤被告について「店の経営状況を厳しく追及され、同情の余地はあるものの、殺害を決意するには短絡的」「首謀者として果たした役割は最も大きい」と非難した。

彼らは現在も服役中である。