浜名湖カッターボート事故

概要

2010年6月18日午後、浜松市の浜名湖で訓練中だった愛知県豊橋市立章南中学校の手こぎボートが転覆。1年(当時)の西野花菜さんが死亡した事故。中学生たちは4艘の船で訓練をしていて、転覆したのはそのうちの一艘。

裁判

2010年6月に浜名湖で校外学習中のボートが転覆し、愛知県豊橋市立章南中学1年の西野花菜さん=当時(12)=が水死した事故で、業務上過失致死の罪に問われた宿泊研修施設「静岡県立三ケ日青年の家」元所長の檀野清司被告=東京都杉並区=の判決公判が2015年11月18日、静岡地裁で開かれ、佐藤正信裁判長は禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑禁錮1年6月)を言い渡した。

佐藤裁判長は判決理由で「カッターボートの乗船者に滞留水の排水を指示するなどの基本的な注意義務を怠っており、厳しい非難を免れない」と指摘。弁護側の主張した学校側の過失については、「あくまで施設の利用者で、専門的な知識を有するものではない」などとして認定しなかった。

2016年4月7日、遺族は7日、当時の校長を不起訴処分とした静岡地検の処分を不服として、静岡検察審査会に審査を申し立てた。この日県庁で記者会見した花菜さんの父友章さん(56)は「花菜の命を無駄にしないためにも、学校側の責任を明らかにしたい」と述べた。

遺族・学校のその後

浜名湖(浜松市)で学校行事の体験訓練中に娘を亡くした西野友章さん(59)が2018年7月30日、豊橋市内の若手教員の研修で講演した。同市教育委員会の要請でマイクを握った西野さんは、小中学校で勤務する3年目の教員86人に「自分の生徒の命は自分が守るという意識が必要」と呼びかけた。

西野さんは最後に「子どもを突然亡くした親の気持ちも想像してみてほしい。せめて、子どもを守ることに生かしてほしい」と呼びかけた。講演後、西野さんは「花菜の死を教訓としてほしいと思って話しました。先生方から『目の前の子どもは自分が守る』という声も上がった。その姿を見守りたい」と話した。

事故から1年後、豊橋市では事故を風化させることなく、教訓として再発防止の徹底をはかるために、「豊橋学校いのちの日」を制定した。

事故後、学校は深い悲しみを乗り越え、花菜さんの分も命を大切に生きていこうと決意。2011年12月18日、この事故を決して風化させることなく、今後も、生徒、職員に伝えていくために、事故に関する「プレート」を作成し、本校の図書室内にある「花菜文庫」に設置した。