あなたがパチンコで勝てない理由

1.あなたはパチンコで勝っていますか?

「俺、昨日パチンコで〇〇万円勝ったぜ」

あなたがパチンコをする人なら、こんな言葉を誰かから聞いたことがあるでしょう。

もしかしたら傍にいる他の人も「あ、俺も〇〇の店でいい感じに儲かっちゃったわ」などと付け加えたかもしれませんね。

そんな会話を小耳に挟み、

「よし、今度は俺の番だ!最近負けっぱなしだったしそろそろツキも回ってくるはず!」

などと思っているあなた。かなり負け続けているのではありませんか?

「ふーん、俺も〇〇円勝ったし。でもあのときもう少し時間があれば絶対もっと勝てたはずなんだよな……」

などと思ったあなた。今夜あたり、もしくは今週末にでもあのときの続きをしにいこう、なんて思っていますよね?

最初にぶっちゃけてしまえば、パチンコに必勝法などというものは存在しません。

随分昔、パチンコのプログラムを組んでいる人がわざとバグを存在させてある一定の手順を行えば必ず勝てるような方法を作っておいた、なんて噂がまことしやかに流れたこともありますが、その話が本当かどうかはともかく現在のパチンコのプログラムにそんなバグは存在できません。

なぜならパチンコやパチスロの新機種が法律に沿って作られているかを検査する保安通信協会、通称「保通協」の審査はとても厳しいものだからです。

保通協が毎月1日に発表している型式試験の実施状況(パチンコやパチスロの新機種が何台審査に合格したか)は、誰でもネットで確認することができます。

これによると、令和元年12月の審査に適合(合格)したのはパチンコが24機種、パチスロが22機種。不適合と判断されたものはパチンコが46機種、スロットは69機種に及びます。

パチンコですら約34パーセント、パチスロにいたっては約24パーセントしか合格していないのです。

不適合と判断された機種は、適合するまで何度でも作りなおされます。一から全く別のものを作るよりはそちらのほうが安上がりだからです。

その中にバグを存在させられるような余裕などありません。

今でもパチンコ雑誌をめくれば山ほど載っている〇〇機種の必勝法、がどれほどあてにならないものか、あなたには想像できると思います。

そもそも本当に必勝法があるのならば、それを使った人がでた時点でパチンコ店のほうで異常を検知しますからすぐに対策が練られます。

パチンコ店の内部についてはもう少しあとの章で詳しくお話するとして、あなたはこの時点でも「今夜あたりツキが回ってきそうだから」といえますか?「今週末は時間をとってがっつり稼いでこよう」と思っていますか?

残念ながら、その期待は殆どの場合外れることになります。

いえいえ、あなたのパチンコの腕がどうこう、という問題ではありませんしあなたに喧嘩を売っているわけでもありません。

「あなたがパチンコで勝てない」と私が断言できる理由を、ここからひとつずつお話していきましょう。

2.金銭管理能力は勝つためのマストスキル

まず、あなたは過去一か月間の自分がパチンコにつぎ込んだ金額をきちんと覚えていますか?

あの日は勝ったからプラマイゼロで、などということはせず、自分が純粋に投資した金額、そして純粋に換金して財布に入れた金額を覚えているでしょうか?

普通にパチンコを遊んでいる人でそこまで徹底して金銭管理をしている人はあまりいないのではないかと思います。

これはパチンコに限った話ではありませんが、人間の記憶力というのはきちんと覚えているようで結構曖昧です。

忘れたいことは忘れ、覚えておきたいことは強く覚えます。

脳そのものはまだまだその活動が不明な部分が多く存在しているので記憶そのものはどこかに残っているかもしれません。

しかし、人の心は繊細でとても脆いもの。つらいことや悲しいことが続けばその分脳へも影響を及ぼし、生命を維持するための働きすら鈍らせてしまうことがあります。

その危険性を防ぐため、あなたの脳はつらいことや悲しいこと、苦しいことをできる限り曖昧にし楽しかったこと嬉しかったことを強く認識させ心を元気に保とうとします。

脳があなたの心を守り、心が元気であることであなたの脳の働きを維持する。お互いが支えあってあなたという人間を構築しているのです。

逆に考えれば「勝った!」という記憶ばかりがしっかり残り、負けた記憶があまりはっきりとしないのはそれだけ心身にダメージを食らうような負け方をしているから、とも言えますね。

もうひとつ、金銭管理能力に大きく関係するのが「引き際」です。

パチンコやパチスロで勝っているとき、ある程度その波が落ち着くことがありますよね。

そのとき、あなたは「よし、ここらへんで今日はやめよう」という判断が常に冷静に行えますか?

ここらへんで、と見極めるのは大変に難しいことです。

もしかしたら次の回転でまた大当たりになるかもしれない、10回転後かもしれない、いやもう少し、とほんのちょっとだけ追いかけるつもりがずるずると打ち続けてしまうのは何故でしょうか?

それは次の回転で大当たりした経験があるから、もしくは自分が離れた途端に誰かが座って大当たりさせたのを見た記憶があるからかもしれません。

これをいわゆる「成功体験」といいます。

この感覚を実際に味わってしまうと、そのときの快楽や幸せが強烈に印象に残ってしまいもう一度味わいたくなってしまうものです。

人間の脳は、心を元気にするための記憶をはっきりと認識してしまうので余計にそれを求めてしまうのですね。

しかし、いつでもこんな体験が味わえるわけでは当然ありません。

むしろ、普通はそのままずるずると負け始めるパターンのほうが多いでしょう。

だからこそ、金銭管理能力を発揮して「今日はここまで」と自分を引き留める力が必要不可欠となるのです。

もしかしたら次の、いや、次の次の回転あたりで……という誘惑に断固として勝つだけの金銭管理能力、あなたには備わっていますか?

3.現在のパチンコをめぐる法規制について

パチンコ、パチスロは風営法という法律で管理されています。

風営法は風俗営業、風俗関連営業にかかわるものを管理する法律ですから、パチンコは風俗営業とほぼ同じ扱いを受けているということですね。

この風営法は、数年おきにパチンコ、パチスロに対して様々な規則改正を行っています。

その中でも2020年現在に関わるもので大事なものを抜き出してご紹介します。

そんなものは関係ない、パチンコは勝てばいいんだ、と思ったあなた。

好きな女性に告白するとき、相手が好むものを全く知らずにプレゼントを渡して告白が成功する確率と相手の好みを知り尽くしてからプレゼントを選んで渡し、告白して成功させる確率ならどちらが高いかすぐにわかりますよね。

どんな勝負も、相手を知ることで勝率をあげていくことができるというものです。

ですから、法律なんか関係ないと思わず、まずは知識を増やしていきましょう。

3-1.パチンコ編

まずはパチンコにターゲットを絞ってお話しますね。

できるだけ「儲け」に直結する部分をメインにお話しますので、ぜひ敵に勝つための武器を身につけていってください。

2018年2月に、パチンコの規則改正が行われました。

この法規制は出玉の規制が含まれている重大なものであったため、あなたがぜひ知っておくべき情報です。

まず、出玉規制については上限大当たり出玉は2400発まで認められていたのが、2018年2月以降に発売される機種からは1500発上限となりました。

1500発といってもどうしても無駄打ちやこぼれが出てしまうので手元に出てくるのは1350発前後、ということになります。

大当たりラウンドも最大16ラウンドまで認められていたのが最大10ラウンドへ。

ラウンド数が減っても玉が昔のままならばまだ問題はスルーできたのですが、上限が900発も引き下げられるということになったわけですから、例えば5年前に発表された古い機種と2018年2月以降に発表された機種では10回ずつ大当たりが引けたと考えてもその時点で9000発の差ができるわけです。

これがどれほどあなたの財布、つまり「儲け」に直結する問題か、理解してもらえると思います。

ちなみに出玉情報などを店側が管理できるようになったのもこの法規制からです。

それまでもサンド、つまりあなたが台の前に座ってお金を投入する場所の機械をほぼ一手に販売している某メーカーは顔認証システムで特許を取得していました。

そして、その技術を実際にホールで使っていることを認めていました。

店側も今までは「顔認証システムはあくまで犯罪防止のため、快適にお客様に遊んでいただくため」と言い張っていましたが、この法規制によりパチンコ台そのものを容易に確認したり管理したりすることを法的に認められたことになります。

その上、パチンコに6段階の設定をつけることを許可されたのもこの法規制からですね。

パチンコに設定はない、というのがメーカーの発表でしたし店側も設定の存在は否定してきましたが噂だけならばずっと以前より設定はあるのではないか、と言われていました。

それが公にある、と認められたのが今回の規制です。

当然店側は店に有利になる設定を選んで入れることができますから、あなたが勝てる確率がまた少し減ってしまいました。

2017年にはカジノ解禁を柱とする法規制に伴い、このような規制も行われました。

警察庁は、パチンコの標準的な遊技時間(4時間)に客が得られるもうけの上限について、現行の十数万円から5万円を下回るよう出玉規制を強化する方針を固めた。スロットなどについても同水準に規制を強化する。もうけの上限を引き下げることで、負けた分を一度に取り戻そうとのめり込むリスクを減らすのが狙い。

(時事ドットコムニュースより抜粋)

これは、警察庁(風営法を管理しているところ)が「依存症を減らす」という目的を掲げつつ「一度に勝てる金額を一気に引き下げた」ということです。

「この法律が施行される前ならば負け分もすべて取り戻して大きく勝てる絶好のチャンス」がもしいまあなたに巡ってきたとしても、法律によって勝てる金額そのものが約3分の1程度に規制されている、ということです。

法規制などについてはニュースに流れた部分(カジノ解禁に絡めて)もありましたが、他の部分についてはテレビでニュースを見ていてもほぼ報道されないでしょう。

しかし、残念なことに2021年2月からはこの法規制に沿ったパチンコ台、パチスロ台しか店に置くことができなくなるのです。

あなたの記憶にある「昔はもっと勝てていた」記憶は、本当に「昔話」としてしか存在しなくなりました。
その「勝てていた」頃とは法律が大きく変わってしまったからです。

そう、「ツキ」だけで勝てていたあの時代はもう完全に過去のものとなりました。
そもそもそのツキを万が一つかめたとしても、あの頃のようには絶対に勝てないのです。

それでもあなたは「そろそろツキが回ってくるから勝つだろう」と思えますか?

3-2.パチスロ編

パチンコがそんなに厳しく締め付けられているのならパチスロに移ればいいんだ。

そう思ったあなたのために、今度はパチスロについてお話しますね。

パチスロはパチンコよりも射幸性が高い、つまり一発逆転が狙いやすいと昔から言われていました。

その代わりにパチンコよりもメダルがなくなりやすいのでお金がかかる、つまりハイリスクハイリターンというわけです。

しかし、もう一度このニュースをよく読んでみてください。

警察庁は、パチンコの標準的な遊技時間(4時間)に客が得られるもうけの上限について、現行の十数万円から5万円を下回るよう出玉規制を強化する方針を固めた。スロットなどについても同水準に規制を強化する。もうけの上限を引き下げることで、負けた分を一度に取り戻そうとのめり込むリスクを減らすのが狙い。

(時事ドットコムニュースより抜粋)

この出玉規制はパチスロ、スロットについても同水準の規制にする、と明記されていますね。

ということは、パチスロで得られる儲けの上限も今までよりずっと減らされてしまったということです。

元々元手がかかるというリスクが高い上にもしビッグチャンスを掴んだとしても大きく儲けることができない。

そのうえ、射幸性(要するに出玉ですね、スロットではメダルです)が抑えられたことで2万円~3万円くらいの負けを取り返すことすら難しくなってしまった。

ハイリスクハイリターンでなくなった代わりに、大逆転の可能性がなくなり元手を取り戻すことも難しい、という既に勝ちたい=お金が欲しいというあなたの本来の目的からは大きく外れたものとなってしまったわけです。

もうひとつ、ここで私が実際に経験したことのあるお話を紹介しましょう。

私がとある大手チェーンのパチンコ店の事務員として仕事をしていたときの話です。

ある日、すぐ近くの競合店に先日この店舗に導入されたばかりの新機種が導入され、新台入れ替えとして大きく宣伝していました。

新台入れ替えの時間が近くなると、私の上司であるK店長が「ちょっと様子見にいってくるわ」とふらりと出かけていきました。

それから1時間半くらい経ったころでしょうか、帰ってきた店長は両手いっぱいに従業員のみんなに差し入れるために交換したお菓子の袋を抱え、その上ホールで働いていたコーヒーレディー(いまはどうかわかりませんが、その当時は大型店舗の多くでコーヒーやジュースを売るお姉さんが随時メニューを片手に通路を歩いていました)を呼び、彼女の売り上げにもなるから、と出勤している全員分の飲み物を現金で用意させみんなに振舞ってくれました。

「どれくらい勝ったんですか?」

私が尋ねると、それは内緒、とまだ20代後半だったK店長は笑いました。

彼がそれほど若くして店長になった理由は、パチンコの釘打ちもできてパチスロの細かい設定もすべてこなせるからだ、ということは私も聞いていましたが、実際にどうやってやるのかは決して明かしてはくれませんでした。

「座った台は設定3か、よくて4ってところの挙動だったからその設定なりの一番勝てる打ち方をしただけ」

とK店長は説明してくれました。

設定を看破したのはその機種は設定によってある特定の出目が並びやすくなることがあり、完全に目押しができる彼は他の設定なら並ぶはずの7以外の並び方を確認してみてそれが並ばなかったことで3か4だと思った、という話でしたが、その設定なりの打ち方、というのは内部構造が完全にわかり、そしてそれを利用できる知識と腕がなければ誰にでもできるものではない、と教えてくれました。

実際にK店長はパチンコとパチスロだけで20台前半を過ごし、その実績からパチンコ屋の店長としてスカウトされた異色の経歴の持ち主でした。

まるで嘘みたいな話だと思われた方もいるかもしれませんね。それこそバグを利用した勝ち方じゃないか、と思われるかもしれません。

しかし、その機種の内部構造や癖を店側として知り尽くし、こうならないよう避けるであろうという対策をすべて知ってそれを理論だけではなく指先で実現することができる人にしかできないものをバグといえるか?と問われれば私はどうかな、と思います。

店側として、自分ならこの設定は避けるはず、ここはこうしたいはずという思いが理解できるK店長ならではの勝ち方、としか言いようがないと思います。

だったらパチンコ屋に就職すればそんなチャンスが……と思われたあなたのために、今度は私が勤めていた店舗の内部の話をしましょう。

3-3.番外編……パチンコ屋の内部はどうなっているのか

これは少し前の話なので今はだいぶ変わっていると思いますが、パチンコ屋に潜入して次の日の設定を見てしまえば!と思ったあなたの期待にはまず応えられないと断言しておきます。

私は事務員で店舗には一切出ない契約で勤務していました。いわゆる契約社員ですね。そして制服は着ていませんでした。

これは制服を着てうろうろしていれば事務所に紛れ込める、という考えで入ってくる人を区別するためだったのではないかと思います。

実際に私がいた事務室は、数日おきに暗証番号が変わるテンキーロックがかけられていました。

その番号を知っているのは私と店長、副店長および幹部の方たちだけ。

一般の社員さんたちには番号を教えられていません。

もうひとつの事務室、というかコントロールルームのような場所のほうは扉こそありますが誰でも入ることができました。

ただし、用事があるとき以外にうろうろしているとすぐに追い出されてしまいますけどね。

私がコントロールルーム、と表現したのには理由があります。

ロックもかかっていないその部屋は中へ入るとモニターが半円を描く形で何十個、というか実際に数えられるほどそこにいると理由を聞かれるため数えることもできないほどにびっしりと並んでいました。

そこですべての監視カメラの画像とすべての台の現在の状態を確認することができるのですが、そこに自由に出入りし滞在することを許されるのは専属でその部屋にいる幹部の人たちと店長、副店長だけでした。

それでは一旦事務室の話へ戻りましょう。厳重にロックされた事務室では毎日何が行われていたのでしょうか。

出勤して一番にすることは、前日のすべての台のデータ、店舗の売り上げなどのひとつひとつのデータ用紙をすべて所定の大きさの紙に、決められた順番通りに貼り付けてく作業です。

データといっても大きな用紙がどん、とくるのではなく小さな用紙がたくさん集まってくる感じで、これはひとりの人間がひとつの紙を見ても全くわからないようにするためにわざと細かいデータとしてあちこちの機械から出す形をとっていたのだと思いますが、この用紙はひとつでも足りないと担当者が呼びつけられ、他のどんな仕事をしていようがその用紙が見つかるまで探すことになります。

もう一度出力すればいいじゃないか、とあなたは思うかもしれませんが、そんな小さなデータでも外部に出すことは厳禁であったため、再出力の前にその人が本当に持って出ようとしていないか、など厳重なチェックを行わなければならないのです。

当然、私のところへ運ばれたものかもしれないのでこちらでもすべてをひっくり返して探すことになります。

コンビニで数点買ったときのレシートくらいの大きさから何回も折り曲げないといけないほど長いものまで、データ用紙はさまざまな大きさをしていますがそれをA2サイズ(一般的なA4ノートの8倍の大きさです)の大きな紙にひとつずつ、決められた場所に決められたとおりに貼り付けていかなければなりません。

ですからひとつでもなければ必ずあとでチェックをしにきた店長や幹部の人にわかるわけです。

その貼り付け作業だけでもA2サイズの紙を裏表3枚分、計6枚分もあれば終わらせるには相当な時間がかかります。

私が来る前にデータがすべて集まっていればいいのですが、店がお客様を迎えて稼働を始める10時過ぎでなければ出すことができないデータ用紙もあります。

しかもそれをずっと見ていると今度は私が怒られてしまうのでできるだけ手早く終わらせ、そのファイルを所定の位置になおして店長のチェックを受け、鍵をかけてもらわなければいけないのです。

もうひとつ、普通の事務室には絶対にあるものがこの部屋にはありませんでした。

それは、コピー機です。

もちろん別の部屋にはちゃんとコピー機がありましたが私がいる部屋は事務室であるにも関わらずどんな小さなデータもコピーすることができず、勿論携帯やスマホなども持ち込み禁止でした。

とにかくデータの流出防止が何より大事で、一般の従業員の方たちがこの部屋に用があるときにはインターフォンで声をかけて私に内部から鍵を開けてもらい、私が見ている前でこれとこれを持っていきます、と用件を伝えそれを2人で確認してから退室、というのが決まりでした。

勿論、監視カメラもちゃんとありますからもう一つのコントロールルームから丸見えなんですけどね。

そしてコントロールルームのほうでは、店員さんたちのインカムでの話し声と共に店内の様子がすべてカメラ画像を切り替えながらたくさんのモニターで監視されています。

そういえば、一度だけ店長が画面を見ながら「〇〇番!」と叫んだことがありましたね。

たまたま用事がありその場にいた私が何だろうと思わずモニター画面を見ているとその番号のパチンコ台の近くにあるカメラがすべてその台とそこに座っている人を映し、フロアを回っている店員さんたちも不自然にならない程度にその付近を監視しはじめました。

会話を聞いていたところ、どうやら予想以上にその台が出過ぎているので何か不正が行われているのではないか、ということでした。

結局15分ほど監視したあと(私はその間いったりきたりですべての会話を聞けたわけではないのですが)今回はたまたまその台が店側が思った以上に出ただけで、お客様に不審な点も見当たらない、ということで一件落着しました。

しかしこの時点でわかりますよね?店側ははっきりと「この台は今日はこんなに出る日ではないはず」という予測が立っているからこそこういう事態が起こったわけです。

その台はパチンコ台でしたから、その当時は設定はない、すべて運任せ、というのがメーカーやパチンコ店舗の見解だったはずです。

しかし、あのときの店長および幹部の反応は確実に「こんなはずでは」というものでした。

噂レベルではパチンコ台にも設定はあるはず、と聞いていましたがこのようにはっきりとそれを目の当たりにしたのは初めてでした。

あぁ、そうそう。私のいた事務室にはお客様に配布している一般的なカタログや遊戯説明用のチラシはありましたが、詳しい設定書などの本はどこにもありませんでした。

そして、この部屋専属の事務員は、非常勤という形で1年で必ず契約打ち切り、というルールがありました。

それこそ秘密の山のような場所なので、変に長く社員として勤められてあのデータの読み方などを理解されては困るからでしょうね。

今考えると、事務員というより重要秘密書類を守る金庫番、としてお仕事をしていたのかもしれません。

このように、とてもセキュリティーが堅い、短期間勤められて面白い職場ではありましたがここでK店長のように設定から何からわかるようになる、というところまでいくのはまず不可能だろうと今でも思います。

一般社員から幹部、店長クラスまで上がるには何年かかるでしょう?

それでもK店長のようになりたい、ということならばそれはそれでいいかもしれませんが現在の射幸性が抑えられたパチスロ台ではどう弄ってもあのときのようにがっつり儲かるというようにはいかないでしょうしね。

あの出来事は、射幸性が大変高い機種が揃っていたからこそ体験できたものだったと私は思います。

4.それでもパチンコで勝ちたいあなたへ

失敗は成功の母、という言葉がありますね。

今回は台選びを失敗した、あのときあそこで台を変えたのがいけなかった。あのとき隣に座っていれば、あのときもう少し粘っていれば……。

今度こそは、と思うとき、この言葉が頭をよぎるかもしれません。

今度こそは成功するはず、俺は同じ失敗を繰り返さないのだから、と。

では、成功体験は癖になる、という言葉があるのをご存じですか?

もう勝てないな、と諦めてそろそろ帰ろうとした瞬間に響く大当たりのファンファーレ。しかも確率変動、確実にもう一回は大当たりが来る!

こんな経験を一度してしまえば、もう一度味わいたいと思ってしまうのもわかります。

しかし、何度も繰り返しますが現在の法規制では、そもそもあなたが昔成功したような経験をもう一度得ることはできないのです。

その理由はあなたの運やパチンコの腕に関係なく、「出玉性能が昔よりはるかに抑えられた機種」しか店に置くことができないからです。

パチンコ、パチスロの台は審査に通ってホールに導入されても、どんな人気機種であっても数年後には撤去されます。

それも法律で決まっていることなので、どこかのホールには、と探すのは無理な話です。

2021年2月には、すべてのパチンコ機種・パチスロ機種が2018年2月以降に審査に合格したものへと入れ替えられることは既にお話しましたね。

更にパチスロでは、現在僅かに稼働している高射幸性を持った機種を2020年1月31日時点で店内のパチスロ台数の5パーセント以下にすることを義務付けられています。

つまり、どんなに頑張ってデータや情報を集めて勝率をあげる努力をしても、そもそもそれに応えられる機種が殆ど存在しなくなる、ということです。

パチンコは庶民の娯楽、という時代はとうに過ぎてしまいました。

長い時間をかけてできるだけ少ないお金で遊ぶことを目的とするなら、娯楽として成立する可能性は残されています。

しかし、いくら少ないお金で遊べてもそれが続いていつの間にか大きく負けている、そしてそれを逆転できるようなスペックを持った台が存在しない、というのが殆どの人にとっての「現実」のようです。

現在のパチンコ・パチスロを法規制も含めて理解する知識、金銭管理能力という他でも通用する大切な感覚、そして何より「パチンコは既に娯楽ではない」という事実を知ること。

あなたがパチンコで本当に「勝ちたい」というならば、まずはあなたが今手に入れたこの3つの武器を使ってじっくり考えてみてください。

もしあなたがパチンコを楽しみたい、ということならば今後も続けていけるかもしれません。ローリスクローリターンというよりもリスクが少ない分リターンの確率があまりにも低いのでひたすらローリスクを重ねていくだけになるかもしれませんが、本来「娯楽」というのは楽しむためにお金を多少使うものですからね。

もちろんたまたま、ラッキーということは今でもあります。

しかしそのラッキーはあくまで僅かな偶然が重なりあってできた隙間のようなものであり、それを再び手に入れる確率は法規制という高い壁によりかなり押さえつけられてしまっているのです。

もしあなたがお金が欲しいと思うならば、まずはパチンコという手段がお金を稼ぐのに本当に適正なものかどうかを考えるところから始めてください。

消費税も10%にあがりました。それは私やあなたにとっても打撃ですが、パチンコ店にとってもその台を作っているメーカーにとっても打撃です。

そしてパチンコ店やメーカーが消費税を支払うためにはあなたの成功体験や夢物語を値上げし、華やかな音と賑やかな光、そして人気のある版権を使ったきらびやかな台であなたの財布の紐を緩めさせるしかないのです。

さて、随分と長くなってしまいましたがここまでお付き合いくださったあなたならきっと自分の中に何かしらの考えが浮かんでいるのではないでしょうか。

次に踏み出す一歩があなたの財布の中身が増えるかどうかに直結していることを考え、もっとも現実的であなたの財布が膨らむ方向を見据えてください。

あなたが本当にパチンコ「に」勝つことができますように。