川崎男児投げ落とし事件

防犯カメラで犯人自首、鬱病で死刑回避か

2006年3月20日午後1時頃、川崎市多摩区中野島5丁目のマンション「リバーグリーン和泉」の15階から中野島小学校に通う山川雄樹君(9歳)が落下した。

29日に同マンションで清掃員の女性(68歳)が不審な男に15階へ連れられ突き落とされかけたことで同一犯として捜査が開始。

防犯カメラの映像が公開されたことで川崎市麻生区在住の無職・今井健詞(41歳)が自首し逮捕された。

犯行の経緯や動機

犯人の今井はカーテン販売会社で勤務していたが、父親が病床に伏してから休みがちとなり、ほぼ業務に関わらず営業成績を注意されて半年ほど出勤せず2005年9月に自主辞職。自殺を図って精神病院で11月から翌年3月8日まで入院していた。

犯行現場のマンションには不動産関係の仕事をしていた際に2、3度出入りした経験があり、構造を知っていた。

2006年3月20日午後1時頃、今井は川崎市多摩区中野島のマンション15階に雄樹君を呼び出して担ぎあげ、マンション敷地の芝生に落下させた。

住民によって通報されるが雄樹君の死亡が確認された。死因は心臓破裂であり、複数の臓器損傷や骨折がみられた。

神奈川県警の捜査が開始される中、今井は29日に同マンションを清掃中の女性にゴミがあるから見てほしいと15階へ呼び出し転落させようとするが未遂に終わった。

更に同日、今井は別のマンション12階で男児(10才)にアブラムシが着いていると言って立ち止まらせて抱え上げ、落下させようとするが未遂に終わった。現場の真下はコンクリートであった。

清掃員女性の転落未遂を期に県警は両事件を同一犯として捜査を開始。今井と雄樹君の映る防犯カメラ映像を公開した。

4月1日に今井が出頭。清掃員女性に対する殺人未遂等の容疑で逮捕された。更に雄樹君の殺害を認め再逮捕となった。

判決とその後

初公判で今井は犯行を認めた。

検察側は犯行が極悪非道で反省の様子もなく、2、3番目の未遂事件の被害者や市民らに恐怖や不安を与えたとして無期懲役を求刑。今井の出頭に関しては逮捕が時間の問題であったことで打算的な出頭であったと言及した。また鬱病と他害的とは結びつかないが、精神的疾患は否定できないとして死刑を避けた。

防犯カメラに対して監視されることに対する否定的な意見が出ていた一方、当事件を期に犯罪捜査に効果的であることが裏付けられた。