河瀬駅前交番警官射殺事件

2019年10月

「叱責されて…」警官射殺で19歳同僚を逮捕。

河瀬駅前交番警察官射殺事件は2018年(平成30年)4月11日夜に滋賀県彦根市南川瀬町の滋賀県警察(以下「滋賀県警」および「県警」)彦根警察署河瀬駅前交番で発生した殺人事件。

勤務中の警察官(犯行当時19歳巡査、逮捕後に懲戒免職)が貸与された拳銃で上司の警察官(事件当時41歳巡査部長、事件後に警部へ2階級特進)を射殺した。

警察庁によれば「警察官が貸与された拳銃で同僚を射殺した事件は初めて」であり、この「前代未聞の不祥事」は日本社会に大きな衝撃を与えた。

事件概要

2018年4月11日夜、滋賀県彦根市南川町内にある滋賀県警察彦根警察署河瀬駅前交番で勤務していた警察官(当時19歳、階級は巡査。以下、Aといいます)が、パソコン作業中の上司の 警察官(当時41歳、階級は巡査部長。以下、Vといいます。)の背後からVに向かって、貸与されていた拳銃を使って銃弾2発を発射。Vに頭部、背部に命中させてVを射殺した事件です。

Aは、高校時代は野球部に所属し、警察官になることを目指していました。警察官採用試験に合格し、高校卒業後の2017年4月に滋賀県警に採用されました。採用後は警察学校で教育を受け、2018年1月29日に彦根警察署地域課に配属されました。

地域課に配属されると交番勤務を命ぜられることも多いです。

Aは、事件を起こす16日前の同年3月26日に、河瀬駅前交番( 以下、交番といいます)に配属されたばかりでした。

犯行動機

もともと、Aが交番へ配属される前から、Vの部下警察官に対する厳しい指導は警察官の間でよく知られていることでした。

もちろん、AもVの指導の厳しさを知る中、不安な一方で「やってやる」という強い気持ちをもって交番勤務につきました。

しかし、Vの指導はAの予想に超える厳しさだったかもしれません。Aは、Vからの指導の中でも、特に書類作成に関して厳しい指導を受けたようです。

同じ交番勤務だった同僚は、「AはVから書類の訂正を10回以上命ぜられ、勤務が深夜3時頃にまで及ぶこともあった。」などと証言しています。

Aは、こうしたVの指導を「理不尽」と感じて不満を募らせ犯行に及んだのです。    

判決と事件の影響

Aは犯行時、「少年(20歳未満の者)」でしたから、Aの事件ははじめ検察庁から家庭裁判所に送致された後、少年審判で「刑事処分相当」の決定を受けて検察庁へ戻されました(逆送決定)。

そして、Aは、2018年6月1日、殺人罪、銃砲刀剣類所持等取締法違反で大津地方裁判所に起訴されています。

合計で5回の裁判が開かれた後、判決が言い渡されました。

判決内容は「懲役22年(検察求刑:懲役25年)」。

Aは控訴せず、2019年2月23日に懲役22年の判決が確定しています。

なお、判決では、警察の指導体制、若年警察官が拳銃を携帯することの問題点なども指摘されています。

これを受けて警察は、複数人の先輩警察官で若手警察官の指導を行う、若手警察官のメンタルケアを学ぶ研修を行うなどの取り組みを始めています。