韓国加湿器殺菌剤死傷事件

2020年04月

韓国で加湿器から毒性物質、95人以上が死亡し、販売会社代表ら逮捕

2001年から2011年半ばにかけて韓国法人オキシー・レキット・ベンキーザーが発売した加湿器用殺菌剤に含まれるポリヘキサメチレングアニジンにより大量の死傷者が出た事件。

事件の経緯や動機

韓国では冬の気温が低いため床暖房を設備している家庭が多く、乾燥を防ぐために安価で加湿効果の高い超音波式加湿器が普及していた。

1995年、オキシー社は加湿器用の殺菌剤を開発したが2000年、加湿器用の殺菌剤に浮遊物が発生したとクレームを受け、新たな殺菌剤にポリヘキサメチレングアニジンを採用して販売した。

この物質は農薬や工場の消毒剤として使用されるもので、吸入すると体に害を及ぼすため噴霧は禁止されていた。

韓国の病院で間質性肺炎の幼児患者が急増、疑問を抱いた医師によって全国的な調査が依頼されたが、国は調査に動かなかった。

数年後、医師らが患者から損傷した肺の組織を採取したところ、患者に共通して気管支周辺の炎症があることが判明した。しかし原因の特定には至らなかった。

その後、妊婦の間質性肺炎の患者が増加。中には同じ病気で娘を亡くした母親も含まれおり、稀な病気であることから家庭内感染の仮説を立てた。

2011年4月、国が全国の患者の各家庭から共通する物を探した結果、加湿器の殺菌剤ポリヘキサメチレングアニジンが原因物質であることが判明した。

その物質は肌に触れた場合は害がないことから、元々カーペット等の抗菌剤として国から認可が降りていた。

しかし当時の韓国の法律では審査に一度合格すると、用途を変える際には再審査の義務がなかったため、加湿器用殺菌剤として転用された。

オキシー社の加湿器用殺菌剤が大ヒットしたことから、他社も同成分の入った殺菌剤を販売していた。

2011年8月31日、原因が判明したものの詳細な成分までは不明として販売や使用の自制を勧告するに留まった。

国が実験を実施し肺への影響が確認されたため、同年11月11日に回収が命じられた。

政府が認定しただけでも95人が死亡、300人以上が生涯にわたる後遺症を患った大事件となった。

判決とその後

オキシー社は独自に検査を行い製品の成分が原因とは言えないと反論したが、検査内容に問題があったことが判明し、安全と虚偽の報告をしたとして約500万円の罰金処罰となる。

2016年5月5日、オキシー社に2300万円を超える金銭で買収された大学教授が検査の結果を捏造。

それにより、オキシー社の元代表と幹部が業務上過失致死及び表示告知の公正化に関する違反で逮捕された。

2017年オキシー社の元代表に懲役6年の実刑判決と、オキシー社への約900万円の罰金が言い渡された。