三重県中三女子殺害事件

2020年04月

怨恨もなく見かけただけの女子中学生を、高校生が殺害

三重県中3女子殺害事件は、2013年8月25日午後10時55分頃に三重県三重郡朝日町で発生した事件である。

三重県警による正式な呼称は 三重郡朝日町地内における女子中学生強盗殺人・死体遺棄事件。別名、朝日町中3致死事件、三重・朝日町女子中学生致死事件。

当初は強盗殺人事件として扱われたが、強制わいせつ致死罪・窃盗罪での立件となった。

怨恨もなく見かけただけの女子中学生を殺害し、自身の同級生たちにも悟らせないように工作していたことへの強い批判がある。

事件概要

2013年8月25日午後10時55分頃、三重県三重郡朝日町の遺棄現場の近くに住む県立高校3年の少年(当時18歳。以下少年X)が、同町内で、わいせつな行為をする目的で中学3年の女子中学生の寺輪博美さん(当時15歳)を襲った結果博美さんを死亡させ、さらに、博美さんの所持していた現金入りの財布を盗んだ、という強制わいせつ致死、窃盗事件。

少年Xに対する逮捕容疑は強盗殺人罪であった(強盗殺人罪は「死刑又は無期懲役」、強制わいせつ致死罪は「無期又は3年以上の懲役」)。また、家庭裁判所へも強盗殺人罪で送致されている。

ところが、家庭裁判所から検察庁へ送致された後、捜査の結果、「証拠上、少年Xに殺意を認めることは困難」として、2014年4月25日、強盗殺人罪から強制わいせつ致死罪、窃盗罪に罪名が切り替えられて起訴されている。

犯人特定から逮捕へ

博美さんは、被害に遭った2013年8月25日、友人とともに四日市花火大会に出かけており、花火大会は午後7時半頃から午後8時30分頃まで行われた。

博美さんは、花火大会を見物したあと、同日夜に友人と別れた後に何らかの事件に巻き込まれた可能性があるとみられた。

また、博美さんは午後10時55分頃までLINE(メッセージアプリ)でメッセージを友人に送っていたことが判明。

博美さんが行方不明となったから2日後の2013年8月27日に、父親が警察に捜索願を提出。

2013年8月29日午後2時半ごろ、警察官が同県朝日町の空き地で女性の遺体発見し、翌日30日に、県警はこの女性の遺体が博美さんのものであると確認した。

これを受けて、同30日、強盗殺人、死体遺棄事件として四日市北署に捜査本部が設置され、また、一か月後となる9月27日には、捜査本部が事件当日に女子生徒が着ていたものと同種の服などを公開した。

過去最短での懸賞金指定、そして逮捕へ

ちなみに本事件について、警察庁は事件から約3か月後の2013年11月28日、犯人逮捕に結びつく有力情報の提供者に公的懸賞金(捜査特別報奨金)を支払う対象に指定したが、これは過去最短である。

これについて警察庁の担当者は「事件の記憶が新しいうちに情報を集め、早期解決を目指したい」と発表しており、指定の期間は同日から1年間、最高で300万円が支払われるものであった。

そして、その後、少年Xが、友人ともに電車に乗ってJR朝日駅で下車し近くのスーパーで友人と別れたことや、11時以降、複数の友人が少年XにLINEでメッセージを送っても未読となったことなどが、一緒に行動を共にした友人の話からわかった。

警察は博美さんが10時55分に友人にメッセージを送っていたことと、少年Xが11時以降のメッセージを読んでいなかったことから、この5分間に犯行が行われたと考えており、その時刻に少年Xが県道を歩く姿を、走行していた車の運転者が目撃していたことも判明した。

これらに加えて、少年Xが帰宅を促す姉に「帰っとるって言ってるやろ」とメッセージを送っていたことなどが、LINE履歴などから判明した。

また、博美さんの所持品から少年Xの指紋が検出。少年Xと博美さんは面識がないことから、事件時に付着したものと推測された。

そのほか、防犯カメラ映像(中には少年Xのアリバイ主張を崩す映像もあったとのこと)や、逮捕につながる情報提供者の話などから、警察は犯人を少年Xと特定。

少年Xの高校での卒業式が終わった翌日の2014年3月2日、少年Xは逮捕された。

判決とその後

起訴後、少年Xの裁判は一般人も裁判員として参加する裁判員裁判により行われた。

判決は、「懲役5年以上9年以下」の不定期刑であった(不定期刑とは特定の刑期を定めない刑のこと。少年の更生を目的として、刑の幅を持たせることで弾力的な運用が可能とするものである)。

これに対し、検察側が刑が軽すぎるとして控訴した。しかし、2015年9月17日、控訴を受けた名古屋高等裁判所は第一審の判決を指示し検察側の控訴を棄却しました。その後、検察側、少年X側が上告しなかったことから上記刑が確定した。