名古屋漫画喫茶女性従業員殺人事件

黙秘を貫いた容疑者夫妻、死体遺棄でのみ起訴

2012年4月13日頃、愛知県名古屋市中川区の漫画喫茶店に勤務する加藤麻子さん(41歳)が行方不明となった。

加藤さんの両親によって捜索願が提出され、翌年4月14日に白骨化した遺体が発見。

漫画喫茶のオーナー杉本恭教(47歳)と妻の智香子(45歳)が逮捕された。

犯行の経緯や動機

2012年4月13日頃、愛知県名古屋市の漫画喫茶店に勤務する加藤さんが行方不明となった。

離れて暮らしていた加藤さんの母親が加藤さんの住むアパートを訪ねたが不在が続き、連絡も取れなくなっていた。

母親が管理会社に鍵を借りて入室したところカビの生えた食事が残されていて、近隣住民からは、しばらく前から室内の明かりがついたままになっていたことや争う声が聞こえてきたという話を聞いたため、2012年5月1日に両親から警察へ捜索願が出された。

警察の捜査により半年後、漫画喫茶のオーナー夫妻に任意の事情聴取を行ったところ「殴っているうちに死んだ」、「遺体を愛知県南知多町の山中に遺棄した」と供述したため捜索したが見つからなかった。

警察は捜索範囲を広げ、翌年4月19日にオーナー夫妻の供述から離れた同町の畑で加藤さんの遺体を発見。既に白骨化した状態で死因は不明であった。

2013年4月22日、愛知県警はオーナー夫妻を死体遺棄の容疑で逮捕。夫妻は完全黙秘を続け、同年8月6日には中川区の杉本が経営するラーメン店で加藤さんの腹を調理用の金属製棒で複数回突き死なせたとして傷害致死の容疑で再逮捕された。

判決とその後

オーナー夫妻は死体遺棄罪で起訴され、傷害致死罪については遺体の白骨化により死因が不明であることや夫妻の黙秘により事件の全容が不明であることから、2013年9月に嫌疑不十分で不起訴と判断された。

同年10月、加藤さんの遺族は不起訴に対し不服申立てをして再審議に掛けられたが、結果は同じく不起訴となった。

12月、不服申立ての結果や判決を待たずして加藤さんの遺族は夫妻へ2億円相当の慰謝料を請求。

遺族側は加藤さんが暴行で死亡したのは明らかと主張、被告側は暴行と死亡の因果関係は明確でないと主張した。2018年3月14日、名古屋地裁は訴えを一部認めて夫妻へ約6700万円の支払いを命じた。

その間に検察側は夫妻の両名に懲役三年を求刑、判決は両名とも懲役2年2ヶ月の実刑判決が確定し、2016年4月に夫妻は刑務所を満期出所した。