東京都・練馬区専門学校生死体遺棄事件

バイト先の同僚を殺害。死体遺棄のために2000km移動

2018年12月10日、長野県出身で東京都練馬区平和台四の専門学校生・谷口夏希さん(20歳)の遺体を乗用車の後部座先に乗せ、福島県いわき市の駐車場に移動させ、遺棄したとして死体遺棄の疑いで、住所不定・無職の熊沢義信容疑者(27歳)が逮捕された。

2018年11月29日頃、熊沢容疑者は練馬区平和台四の学生寮の部屋で、谷口さんを窒息死させて殺害し、キャッシュカードなどを奪ったとされる。

事件の経緯と詳細

2018年12月6日、谷口さんの親に「(娘さんが)11月29日から出席していない」と、夏希さんの通う専門学校から連絡が入った。

連絡を受け、父親が長野県から翌7日に夏希さん宅を訪問。ベッドに血痕があったことから、110番通報した。

警察はすぐに捜査を開始し、夏希さんの住んでいた寮の防犯カメラが解析された。

すると、12月3日午前3時ごろに、布団にくるんだ大きなものを運んでいる熊沢容疑者の姿が写っていた。また、谷口さんの部屋からは、熊沢容疑者が残したとみられる「殺してと言われた」などとするメモが9枚見つかった。

A4用紙に書かれたメモには、谷口さんとの交際や殺害をほのめかす記載があったという。

しかし、谷口さんは就職の内定を得て旅行の計画もしており、一課は、谷口さんの依頼を受けた嘱託殺人ではなく、強盗殺人容疑と判断された。

二人の接点

二人は2018年6月、アルバイト先で知り合った。

熊沢容疑者は携帯電話利用料の未払いなどで100万円以上のローンがあり、11月中旬から仕事や住む場所すらなかったとみられ谷口さんの寮の部屋に出入りしていたという。

前述の通り、谷口さんは11月29日から専門学校を欠席。

友人らの「学校来ないの?」と心配するLINE(メッセージアプリ)のメッセージに対し、熊沢容疑者が谷口さん本人を装って「具合が悪い」と返信していたという。

谷口さんは28日夜、寮に帰宅する姿が防犯カメラに写っていたが、それ以降、出入りする姿が確認されておらず、またカメラには、谷口さんの帰宅直後、熊沢容疑者とみられる男が寮に入る姿も写っていた。

また、現場からはキャッシュカードやクレジットカードが盗まれていた。

2000km

28日以降、夏希さんの姿が確認されていない(29日以降、専門学校も欠席している)こと、また、12月3日に深夜に布団にくるんだ大きなものを運んでいる熊沢容疑者の姿が写っていたことから、犯行はこの間に行われたものと見られている。

その後、熊沢容疑者は12月2日にレンタカーを調達。

夏希さんの預金口座からは、残高のほぼ全額の5万9千円が引き出されていた。また、マスクをした熊沢容疑者が谷口さんの普段利用しないコンビニのATMで金を引き出す様子がカメラに写っていた。

熊沢容疑者は12月3日~9日、クレジットカードを長野、静岡、山梨、栃木など一都六県で飲食や衣服代、高速道路利用料やガソリン代などで計約20万円分使い、逃亡を続けたとみられる。

これらの移動距離は、合計2000km以上にもなったといい、遺体を遺棄する場所を探していたとみられている。

逮捕、そして再逮捕へ

熊沢容疑者はいったん上信越方面へ向かい、9日夜、熊沢容疑者の実家に近い福島県いわき市の入浴施設に立ち寄った。

そして12月9日夜、熊沢容疑者は福島県いわき市内で職務質問され、レンタカーの後部座席から夏希さんの遺体が見つかったことで、翌10日に死体遺棄容疑で逮捕された。ちなみに、助手席には谷口さんの携帯電話があり、電源が入っていない状態だった。

逮捕時、熊沢容疑者は「間違いありません」と容疑を認めるとともに、殺害をほのめかす供述をした。

その後、12月28日に死体遺棄の罪で起訴された。

谷口さんに目立った外傷はなく、司法解剖が行われた結果、死因は窒息死であることが判明。

2019年1月9日、警視庁捜査一課は強盗殺人の疑いで住所不定・無職の熊沢義信容疑者を再逮捕した。

再逮捕容疑では、2018年11月29日ごろ、練馬区平和台四の学生寮の部屋で、谷口さんを窒息死させて殺害し、キャッシュカードなどを奪ったとされる。

再逮捕に際し、熊沢容疑者は「言いたくない。弁護人と相談して話す」と供述している。

ちなみに、犯行現場と考えられる東京都練馬区平和台4丁目19−14にある学生寮「カレッジコート平和台」は、一般的な学生寮とは違って誰でもマンション内に入ることが可能で、門限なども設定されていなかった。

本事件が、防犯意識向上の契機、一助となることを願う。