群馬・農婦連続殺害事件

2020年07月

農婦が連続して被害者に、犯人は強盗殺人を自供もすでに時効成立

 群馬県内で81年と82年に農作業をしていた農婦が殺害されるという事件が起こった。2つ目の事件後、逮捕されたのは無職・篠原徳次郎(当時55歳)だった。篠原は以前にも強盗傷害事件、殺人事件をそれぞれ1件起こしていた前科があった。それ以外にも強盗殺人を自供したが、時効が成立していた。

事件の経緯と動機

篠原徳次郎について

1949年、22歳の篠原徳次郎は食糧事務所に勤めたが、小遣い欲しさから近くの農家へ押し入り、家人を鎌の峰で殴って現金1620円を奪うという強盗傷害事件を起こした。

同年4月24日、千葉地裁で懲役8年を言い渡され、千葉刑務所で服役。

1953年11月30日、仮出獄した篠原は群馬県の叔父を頼って、県内で土工、農業手伝い、伐採夫などの仕事をしていた。

1959年1月27日、休日に狩猟を楽しんでいた千葉県内の山林で、たまたま焚き木を拾いに来ていた女性(22歳)を強姦し、発覚を恐れて殺害した。篠原、当時32歳。

1960年7月19日、東京高裁で無期懲役を言い渡される。

再び千葉刑務所で服役したのち、1976年2月26日に仮出獄。この恩典を受けたのは、知的にはやや劣るが、所内で真面目に過ごしていたのが認められてのことだった。

出所後、篠原は実家に戻り、家業の農家を手伝うつもりでいたが、継いでいた兄方では人手がいらなかったため、群馬県に住む父方の叔父とその長男を頼って同県に移った。

佐波郡内のアパートに1人住まいをし、鋳造工として就職。しばらくは真面目に働いていたが、81年6月に社長とボーナスの支給をめぐって口論になり退職。再就職をのぞんだが、失業保険金を上回る就職先がなかったため保留していた。

農婦殺害

1981年10月2日、群馬県勢多郡の畑で農作業中のX子さん(56歳)を見て強姦しようとしたが、付近の音が気になったため勃起せず、姦淫は未遂に終わった。X子さんに傷害を負わせ、隠蔽するため、手拭いで頚部を絞め、さらに小刀で胸や頚部を刺して殺害した。

事件後、犯行時に履いていた靴や、バイクのタイヤを処分している。

1982年7月3日、同町の畑で草むしりをしていたY子さん(79歳)に背後から声をかけたところ、驚いたY子さんが「きゃあ、なんだよ」と大声をあげたため、警察沙汰になっては困ると、手拭いを頚部に巻いて殺害した。

篠原は死亡したY子さんの着衣をとり、自分の母親と同じような年齢の同女の陰部にいたずらしている。これらはX子さん殺しの容疑で警察にマークされている間の犯行だった。張りこんでいた警官が、バイクで逃走する篠原をみとめてから、殺害されたY子さんを発見した。

結局、4日未明、篠原が逮捕される。

篠原は1947年10月に千葉県印旗郡で起こした強盗殺人事件についても自供したが、こちらは時効が成立しており、立件は不可能だった。

判決とその後

1983年12月16日、前橋地裁、死刑判決。

1985年1月17日、東京高裁、控訴棄却。

1988年5月20日、最高裁・奥野久之裁判長は上告棄却。死刑が確定した。

1995年12月21日、死刑執行。(享年62歳)