餃子の王将社長射殺事件

全国大手チェーン店の社長を狙った未解決事件

「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(京都市)が約10年にわたり特定の人物と不明朗な不動産取引などを繰り返し、176億円もの資金が回収不能になっていたことが、同社の第三者委員会(委員長、大仲土和弁護士)の調査報告書で初めて明らかになった。第三者委は、平成25(2013)年12月に同社前社長が射殺された事件を受けて、暴力団など反社会的勢力(反社)との関係の有無を調べるために設置された。報告書では反社との関係は認められないと結論づけられたが、創業家一族とゴルフ場運営会社役員A氏との不透明なつながりが浮かび上がった。射殺事件が起きたのは、このつながりを問題視し、再発防止をうたった社内報告書がまとまった約1カ月後のことだった。第三者委は「リスクは過去のものとはいえない」と警鐘を鳴らした。

「反社との関係は?」

「A氏は反社ですか?」

 大阪市内で3月29日に開かれた王将フードサービスの記者会見。記者からは、第三者委の報告書が不適切な取引の相手として特定した「A氏」に関する質問が集中した。

 渡辺直人社長は「A氏は過去に不適切な取引があった当事者だが、反社という認識は持っていないし、反社かどうかは分からない」と述べた。

 第三者委も同日、別々に開いた記者会見で「A氏が反社に該当するかどうかは判断していない」「A氏は王将を経営危機に陥れた当事者なので中心的に調査した」と答えるにとどめた。ちなみに委員長を務めた大仲氏は平成17~19年に大阪地検特捜部長を務め、その後も大分、岡山、さいたまの3地検で検事正を歴任した検察OBだ。

報道陣が「反社」にこだわったのには理由がある。27年12月13日、マスコミ各社が25年12月19日に起きた大東隆行社長(当時)射殺事件について、九州を拠点とする暴力団関係者が関与した可能性があることを一斉に報じた。これを受け王将は今年1月、第三者委を設置して、反社との関係をめぐる調査を委嘱していたのだ。