ジョアンナ・デネヒー

2020年04月

ジョアンナ・デネヒーの生い立ち

ジョアンナ・デネヒーは、人を刺し殺すことに最大級の快楽を見出した、女シリアルキラーである。しかし幼少期の彼女からは、その要因や兆候はほとんど見られない。

ジョアンナは1982年、父ケルヴィン、母キャスリーンの長女として誕生した。一家は英国ハートフォドシャーの高級住宅地、セントオールバンズに家を構え、ジョアンナは何不自由なく育った。

思春期に入り、利発で愛くるしかったジョアンナは、別人のようになる。親に反抗し、酒やドラッグにも手を出した。素行が悪くなった娘に対し、両親は手を尽くすが、ジョアンナは15歳の時ボーイフレンドを頼って家を出てしまう。

ジョアンナは17歳で母になった。しかし、子供を可愛がるどころか、子育てのストレスから、麻薬や酒に溺れるようになる。次女出産後は、更にエスカレートし、意識を失うほどドラッグを過剰摂取した。酔っては自傷行為を繰り返し、夫に対しても暴力をふるった。ダガーナイフでカーペットをずたずたに切り裂く泥酔状態の妻を見た夫は、娘たちを連れてジョアンナの元を去った。

もっともっと刺したい!

2010年、デネヒーはイングランド東部の都市、ピーターバラに移り住む。ナイフで人を殺したいという興味が抑えきれなくなったデネヒーは、2013年3月19日、ポーランド国籍のルカシュ・スラボウスキー(31)を、言葉巧みに誘い出し、ナイフで心臓を一突きにした。殺人の味をしめたデネヒーは、「もっと殺したい」という、強烈な欲求に駆られた。

スラボウスキー殺害から10日後の3月29日、デネヒーは、アパートの同居人、ジョン・チャップマン(56)に襲いかかった。泥酔していたチャップマンは、首・胸部・心臓を複数回刺され、息絶えた。

同日、デネヒーはアパートの大家、ケヴィン・リー(48)を刺殺した。黒いスパンコールのドレスを身に着け、尻を丸出しにしたリーの遺体は、後日側溝で発見された。

4月2日、デネヒーは、犬の散歩をしていた60歳のロビン・ベレザに突然襲いかかり、ナイフで複数回刺す。人を刺す興奮冷めやらぬまま、今度はジョン・ロジャーズ(56)を背後から刺した。どちらも一命をとりとめたが、ロジャーズは40箇所以上も刺されていた。2人の証言から、警察は現場付近にいたデネヒーを逮捕した。

裁判と判決

デネヒーは殺人の動機を「楽しかったから」と語り、裁判の行方にはほとんど興味を示さなかった。

3件の殺人と死体遺棄、2件の殺人未遂の罪で起訴されたデネヒーは、2013年11月、起訴内容をあっさりと認めた。そして2014年2月、仮釈放なしの終身刑を受けた。死刑制度が廃止された英国では、最も重い刑である。 デネヒーは、イングランド南東部サリーにある女性刑務所、HMブロンズフィールドに収監された。