佐藤心優ちゃん(3歳)殺害事件

2019年10月

教育熱心な母親は、育児に疲れ、我が子を橋から落とした。

2014年11月19日夜、新潟県燕市で3歳の長女・佐藤心優(みゆ)ちゃんを川に投げ落として殺害したとして無職の佐藤あゆみ(24)容疑者が緊急逮捕された。

動機と経緯

近所の人は、「時々、子どもと一緒に散歩されているのを見てたので、すれ違ったら、あいさつしてくれる人だったので」、「育児に悩んでいる感じもしないし、本当に、ごくごく一般の親子という感じ」などと話した。

佐藤容疑者は20日午前、心優ちゃんが受診する予定だった病院を訪れ、職員に「目を離したすきに、娘がいなくなった」と告げた。

病院から通報を受けた警察は、病院の周辺を中心に、子どもが誤って転落しそうな用水路や川を捜索した。

その結果、橋から、およそ1km離れた下流で、心優ちゃんの遺体が見つかった。

親子を知る医師は「お母さんは育児熱心で、全ての予防注射もやっていますし、今年のインフルエンザの予約もしている。虐待をしていれば、診察すればわかる。そういうのも全然なかった」と話した。

佐藤容疑者は、「娘を橋の欄干から落としました」と容疑を認めたうえで、「育児に悩んでいた」と供述しており、燕市によると、佐藤容疑者は14年9月、市役所の窓口を訪れ、「子どもの夜泣きがひどい。つきまとわれて自分の時間がない」などと育児についての悩みを相談していたということだった。

8月には、保育園で熱が出た心優ちゃんを迎えに来ないため、市と児童相談所で心優ちゃんを預かることを検討したものの、佐藤容疑者の母親が迎えに来たため見送った経緯があった。

夕方、保育所に娘を迎えに行った後、まっすぐ帰宅せず、近所の実家に寄った。母に預かってもらいたかったが、娘が風邪気味でできなかった

午後8時前、自宅アパートに戻った。食器を片付けようと台所に行くと、娘が泣き始めた。眉間にしわを寄せ、大きなため息をつく男性(再婚した夫)を見て、娘とアパートを出た子どもを預けられそうな施設をネットで探したが、見つからない

午後10時過ぎ。近くの川に架かる橋のそばに車をとめ、娘を両腕に抱いて橋の欄干に立たせた。

車が通るたび、娘を欄干から降ろす。3度目、娘を抱く手を伸ばし、宙に浮く状態にしてみた。川面からの高さは4メートル以上。娘はにこっと笑い、突然こう言ったという。

「バイバイ」

手を離した。ドボンという音が聞こえたが、その場を離れたくて車まで走った。自宅の前で車を止めると車内で少し泣き、部屋に戻った。

翌日、橋の約1キロ下流で女の子の遺体が見つかった。3歳の誕生日を迎えたばかりだった

判決

殺人罪に問われた無職、佐藤あゆみ被告(24)の裁判員裁判の判決公判が2015年5月18日、新潟地裁(竹下雄裁判長)で開かれ、懲役9年(求刑懲役12年)が言い渡された。

 判決理由で竹下裁判長は、長女を川に投げ込んだ佐藤被告の犯行を「非情かつ冷酷」と非難。佐藤被告が周囲の支援を受けていたとはとうてい言えないとする弁護側の主張は、市や保育園も支援態勢を取っていたとして退けた。一方、交際相手との関係維持が中心的な動機として殺害したとまでは言えないとした。

判決によると、佐藤被告は昨年11月19日夜、燕市の西川に架かる橋の欄干から長女、心優(みゆ)ちゃんを投げ落とし溺れさせ、殺害した。

 判決後、裁判員による記者会見が開かれ、「衝撃的な事件で精神的にきつかった」(60代男性)、「育児の大変さは共感するところもあったが、自分には本音を言える相手がいた」(30代女性)とする意見が出た。

どうすれば誰も亡くならずに済んだのでしょうか。