世田谷・青山学院大生殺人事件

アベックが強盗殺人、心中に失敗して逮捕

1994年2月18日、東京都世田谷区のアパート2階で青山学院大学経済学部4年生の松本浩二さん(23歳)の遺体が発見された。

松本さんは航空大学の飛行機操縦科への進学が決定しており、4月から学校のある宮崎県へ移住する予定であった。

犯人として無職の出水智秀(20歳)と飯田正美(20歳)が逮捕・起訴された。

犯行の経緯や動機

松本さんは青山学院大学の経済学部4年であり、運輸省の航空大学飛行機操縦科を受験、合格が決まると共に大学の卒業も認定されて、4月から学校のある宮崎県へ移住予定であった。

犯人のひとりである飯田は岐阜県の紡績工場で勤務しながら短期大学の夜間部に通っていたが、名古屋へ遊びに行った際に同じく犯人の出水と出会い、仕事を辞めて以降は40件に及ぶ窃盗を重ねている。

2月5日、飯田は松本さんの住むアパートの隣部屋であり交友関係にあった男性へ電話を掛け、近いうちに出向く旨を伝えた。

以前に飯田と出水から恐喝されて金を奪われた経験があった男性は翌6日に実家へ帰省。

同月11日午後2時頃、飯田と出水は男性のアパートへ赴くも玄関の鍵がかかっていたため、出水が雨樋を伝い2階ベランダから侵入して玄関を解錠して飯田を入れて金品を窃盗した。

男性の部屋に侵入したまま13日になり、このままでは捕まると考えた出水と飯田は13日と14日にかけて心中を試みるも失敗。

15日、出水が隣部屋の住民から恐喝して金を奪うことを発案して午後8時に松本さんを呼び出し、出水が刃物で脅して飯田が紐で縛り隣室へ連れ込んだ。

飯田が松本さんに刃物を突きつけて監視している間に出水が松本さんの部屋から金品を盗み、通帳の暗証番号を聞き出した後に暴行を加えて腹や胸を刺し殺害。

18日、松本さんと16日より連絡が取れないと松本さんの母親より相談を受けた伯母が松本さんのアパートへ。

部屋を開けると、浩二さんは体をロープで縛られ、口はガムテープで塞がれた状態で刺し殺されており、また、凶器が現場に残されていた。

警察の捜査により16日の朝に松本さんの部屋の隣室から出てくる飯田と出水が目撃されており、隣室の住人の証言から2人が捜査線上に上がった。

22日、2日前から静岡の別荘へ不法侵入していた飯田と出水はガスによる自殺を試みるも、直前に出水が煙草に火をつけたため爆発事故が発生。消防が駆けつけて出水が負傷しているところを発見された。

その後、飯田の自供により当事件が発覚。2人は起訴された。

判決とその後

5月9日から東京地裁で2人の公判が開かれて犯行を全面的に認めた。

更に飯田が妊娠中であることが明らかになり、9月5日、出水に無期懲役、飯田に懲役15年が言い渡された。10月に飯田は獄中出産している。

また、本事件をモデルとして、映画『HYSTERIC』(2000年/監督・瀬々敬久/主演・千原浩史・小島聖)が制作・公開されており、この作品で、主演の千原浩史(千原ジュニア)さんは、同年の第10回日本映画プロフェッショナル大賞で主演男優賞を受賞している。