栃木・小1女児殺害事件(今市市女児殺害事件)

2020年08月

物証のない中、状況証拠を積み上げた無期懲役

2005年12月、栃木県今市市の小学1年生の女児が行方不明となり、翌日、茨城県常陸大宮市の山林で刺殺体となって発見された。

2014年6月3日、別件の商標法違反容疑で逮捕され、事件への関与をほのめかす供述をした勝又拓哉(当時32)が逮捕された。

犯行の経緯や動機

2005年12月1日午後2時50分頃、栃木県今市市の大沢小学校に通う小学1年生の女児が、自宅から約1キロ離れた今市市土沢の市道を徒歩で下校途中、三叉路で友人と別れた後に行方不明となった。

家族が捜索願を提出、捜索が開始された。

翌日、自宅から60km離れた茨城県常陸大宮市の山林で野鳥ウォッチングをしていた老人3人が、胸を数カ所刺された女児の遺体を発見した。

しかし女児のランドセルや衣服などの遺留品は現在まで発見されていない。

12月3日 、女児が通っていた小学校で緊急の保護者会が行われ、同月18日に集団登校が開始されるまで、児童は車での送り迎えとなった。

栃木・茨城両県警はフリーダイヤルを設置し、電話での情報提供を呼びかけた。

ポスター・チラシが配布され、両県内はじめ、多くの駅やショッピングセンターなどに貼られた。

宇都宮駅や水戸駅では巨大モニターでも情報提供を求めた。

2006年8月1日、犯人逮捕に結びつく情報に対し、200万円の懸賞金がかけられ、2007年7月27日に捜査特別報奨金の対象事件ともなり、懸賞金は500万円に引き上げられる。

2014年4月、2014年1月よりブランド品の偽物を所持したとする別件の商標法違反で、実母と共に逮捕・起訴されていた、栃木県鹿沼市内の当時32歳の勝又が事件への関与を認めた。

6月3日に逮捕された。

判決とその後

2016年2月29日、勝又の初公判が開かれ、勝又は取り調べとは一転「威圧的な取り調べで、虚偽の自白に追い込まれた」と無罪を主張した。

そのため異例となる『取り調べの録音・録画』が法廷で流され、家族に話をした後で事件の詳細を話すことを検察官と何度も確認する様子や、後日急遽考えを変え、黙秘権を使いたいと供述を拒否する様子、身振り手振りを交えて殺害の状況などを詳しく話す様子も写っていた。

4月8日、決め手となる物証はないが、実際に体験した者でなければ語ることのできない具体的で迫真性に富んだもので、信用できると結論づけ、検察の求刑通り勝又に無期懲役が言い渡される。

被告は控訴、2017年10月18日、控訴審が開始され、翌年の8月3日、状況証拠を総合すれば被告が犯人であると認められるとして、無期懲役が言い渡されたが、弁護団は即日上告。

2018年12月17日には無罪を主張する上告趣意書が最高裁に提出されており、2020年2月10日現在も上告中。