東京都大田区・3歳児放置旅行餓死事件

2020年07月

24歳母親が3歳女児を8日間放置し男性と鹿児島旅行、その後女児が衰弱死。

2020年6月13日東京都大田区蒲田のマンションで、3歳女児が室内に放置されて死亡する事件が発生。

梯(かけはし)沙希容疑者(24歳)は6月5日からの8日間、自宅マンション室内に長女の稀華(のあ)ちゃん(3歳)を1人で残したまま、男性と鹿児島旅行に出かけており、稀華ちゃんを極度の脱水と飢餓状態に陥らせて死亡させた疑い。

帰宅した母親自身の通報で発覚し、警視庁は同年7月7日、母親の居酒屋店員の梯容疑者を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕した。梯容疑者は女児を自宅に残したまま8日間、鹿児島県に旅行に行っており、警視庁は育児放棄(ネグレクト)だったとみている。

事件の経緯

梯容疑者は2020年6月5日に稀華ちゃんを残して1人で外出。13日までの8日間、知人男性と一緒に鹿児島県で過ごしていた。

13日午後に帰宅後、「子どもが息をしていない」と自ら119番。救急隊が駆けつけた際、室内は空のペットボトルなどのゴミが散乱し、稀華ちゃんはおむつをはいた状態でマットレスの上に横たわっていたという。

その後、稀華ちゃんは搬送先の病院で死亡が確認された。

司法解剖の結果、稀華ちゃんは死後数日が経過していた。体にあざなどの目立った外傷はなかったが、極度の脱水状態で、胃の中は空っぽだった。体重も3歳児としては軽く、普段から食事を十分に与えられていなかった可能性もある。

梯容疑者は当初、警視庁の任意の聴取に対し、稀華ちゃんが数日前から食事をしなくなり、6月13日昼頃に確認すると体が冷たくなっていたと虚偽の説明をしていた。その後、梯容疑者は体調を崩して都内の病院に入院。2020年7月7日に退院したところを逮捕した。

梯容疑者は宮崎県出身で、離婚後の2017年7月から現場マンションで稀華ちゃんと2人で生活していた。

稀華ちゃんは一時保育園に通っていたが、昨年通園をやめていた。警察や自治体、児童相談所に虐待に関する情報は寄せられていなかったという。

梯容疑者は以前にも稀華ちゃんを残して数日間、自宅を留守にしたことがあったといい、警視庁がネグレクトの実態を捜査した。

警察の取り調べに対し梯容疑者は「当時、居間のドアをソファで塞ぎ開けられないようにして外出した」と供述。女児が居間から出た形跡も見られず、女児は母親が旅行に行っていた8日間、ずっと居間に閉じ込められていたものとみられる。その後、梯容疑者は以前にもパチンコや飲み会などで出かけていたことが発覚し、子どもの閉じ込めが常態化していたこともわかった。5月以降、稀華ちゃんの外出が確認されたのは短時間の1回だけだったという。

取り調べに対し、母親は「育児に疲れ、リラックスしたかった。死ぬとは思わなかった」「もっと早く帰りたかったが、飛行機が取れなかった」と供述した。

しかし、梯容疑者は当初からこの期間の休みを勤務先に届けており、帰りの便が予約できない状況にもなかったという。警視庁は、もともと長期滞在を計画していたのに正当化しようとうその説明をしているとみて、経緯を詳しく調べている。

その後の7月22日、東京地検が精神鑑定のための留置を東京地裁に請求し、これが認められた。期間は7月22日~9月28日。

また、警視庁は7月22日、事件の1カ月前にも女児を3日間放置したとする保護責任者遺棄容疑で追送検した。地検は、鑑定結果を踏まえて刑事責任能力を見極め、追送検分と合わせ起訴するか判断する。

捜査関係者によると、追送検容疑は5月8~11日、稀華さんを1人自宅に残して旅行に出かけたというもの。この間、梯容疑者は知人男性の住む鹿児島県を訪れていたという。梯容疑者は6月5~13日にもこの男性のもとを訪問していた。

警察庁によると、全国の警察が昨年、虐待の疑いで児童相談所に通告した子どもは計9万8222人で、このうち8968人が実際に虐待を受けていたという。