上野宝石商殺人事件

偽札使い宝石強盗、元暴力団員の作家逮捕

1987年、作家の北原綴、本名武井遵(49歳)が26億円に及ぶ偽札事件と宝石強奪強盗殺人事件の首謀者として指名手配され、逮捕された。

1989年に無期懲役が確定している。

父親は詩人の金素雲、姪は歌手の沢知恵である。

犯行の経緯や動機

武井は朝鮮人差別を受けたことで高校時代に傷害事件を起こして退学。その後は暴力団員となり、わいせつ罪や銃刀法違反、重過失傷害、恐喝、詐欺、通貨偽造罪などで逮捕されていた。

その後、作家として童話小説が全国学校図書館協議会推薦図書に選ばれる。

1976年2月、ベルギー人の宝石商から宝石を奪うために偽札を使用、銃で殺害を目論み懲役8年となる。

その後武井は北原総合企画を経営し、経済的に苦しいものの派手な生活をしていた。

そんな中、宝石商のOさん(38歳)と知り合い、宝石の取り引きを持ち掛け、殺害して宝石を奪おうと計画する。

武井は出版社社長(42歳)へ「知人の町長選応援のために見せ金がいる」と偽札作成の話を持ちかけた。

偽札の入ったジュラルミンをOさんに見せて信用させ、7600万円相当の宝石を受け取った。さらに金の取り引きを持ち掛けてOさんを誘い出し、金を融通してくれる人のところに一緒に来てほしいと車に誘い出し、車中でOさんに銃弾6発を発射して殺害。遺体を群馬県榛名町の山中に埋めた。

1987年1月16日を最後に、上野の宝石商Oさんが1億円相当の宝石や時計、現金を持ったまま姿を消す。

翌日、武井が警察に現れ、宝石の取り引きのため16日の5時半に会い、2時間後に再び会う約束をしていたが来なかったと話す。

同年4月3日、東京都南青山のごみ置き場に大量の偽1万円札が捨てられているのが発見される。

さらに荒川付近でも発見され、その合計は4万枚に及んだ。

同月8日、印刷業者の男(53歳)が逃げ切れないと出頭したのを皮切りに関係者が次々と逮捕される。

彼らの供述により、出版社社長から偽札作成を依頼されたことが判明。さらにその社長の供述から、主犯が武井であることが判明した。

武井は愛人女性とともに車で逃走するが、4月13日に都内のホテルにいるところを捜査員が発見、逮捕された。

判決とその後

1989年3月27日、一審で武井に無期懲役が言い渡され、武井は控訴したが後に取り下げ、無期が確定した。