和歌山毒入りカレー事件

2020年02月

ヒ素で保険詐欺を重ねた夫婦の妻、大量殺傷で死刑

1998年7月25日、和歌山県和歌山市園部で行われた夏祭りにおいて提供されたカレーに主婦林眞須美林 (37歳)が毒物を混入、カレーを食べた67人が中毒症状を起こし、うち4人が死亡した。

逮捕・起訴され、無罪を訴えるが2009年に最高裁判所にて死刑が確定した。

犯行の経緯や動機

林の夫はヒ素を扱う白アリ駆除会社を経営しており、廃業後もヒ素を所持していた。

そして事件の10年ほど前から、ヒ素を用いるなどして、夫婦で保険金詐欺を繰り返し、約8億円を搾取した。

1998年7月25日、園部地区で行われた夏祭りで、カレーを食べた67人が腹痛や吐き気などを訴えて病院に搬送された。

小学4年の男子児童と高校1年の女子生徒、園部第十四自治会の会長と副会長の4人が死亡した。

被害者は会場で食べた者や自宅に持ち帰って食べた者がおり、嘔吐した場所も様々であった。異変に気付いた参加者が「カレー、ストップ!」と叫び、嘔吐がカレーによるものと発覚した。

保健所は食中毒によるものと判断したが、吐瀉物から青酸の反応が出たことで、青酸中毒によるものと判断された。

しかし、症状が青酸中毒と合致せず、警察庁の科学警察研究所の調査に『SPring-8』が使用され、毒物の組成を調べて亜ヒ酸の混入が判明した。

1998年10月4日、知人男性に対する殺人未遂と保険金詐欺で元保険外交員で主婦の林 眞須美(37歳)が別の詐欺及び同未遂で元シロアリ駆除業者の夫とともに逮捕された。

12月9日、カレーへ亜ヒ酸を混入したことによる殺人及び殺人未遂で再逮捕され、同年12月29日に起訴された。

判決とその後

林は容疑を全面否認した。

傍聴券抽選会場へはオウム真理教事件の麻原彰晃・覚せい剤取締法違反の酒井法子に次ぐ傍聴希望者5220人が集まった。

1999年5月13日、一審が開廷。

2002年12月11日、一審で検察側の求刑通り林に死刑判決が言い渡され、即日控訴した。

2004年4月20日、控訴審初公判。

2005年6月28日、控訴審判決で「カレー事件の犯人であることに疑いの余地はない」として控訴を棄却、林即日上告した。

2009年4月21日、最高裁は「鑑定結果や状況証拠から、被告が犯人であることは証明された」と述べ、林側の上告を棄却した。

その際、弁護側が動機が全くないと主張したのに対し、最高裁は、動機が解明されていないことで被告が犯人であることは左右されないと退けた。

2009年4月30日、死刑判決の破棄を求めて判決の訂正を申し立てたが、2009年5月18日付決定で棄却された。

ビデオ映像の証拠

林の黙秘が続く中、裁判所は民放4社6番組から収録されたインタビュー映像を「言動が趣旨を異にすることなく再現されている」として採用した。

報道機関は取材方法に対する権力の介入として反発し、弁護側も誘導により意図的の可能性から反対した。

裁判所は「報道機関が報道し、国民の多くが知っている情報を、なぜ真実の追求を目的とする刑事裁判で証拠としてはならないのか、理解に苦しむ」と判決文で述べ、ビデオ映像採用に反発する報道機関に苦言を呈した。

獄中での作品群

黒と赤を基調にした作品が多く描かれており、そのどれもが色紙に描かれていることが特徴である。