山梨・甲府信金女子職員誘拐殺人事件

地元メディアの記者を騙り取材と装って誘拐、身代金を高速から落とさせる

1993年8月10日に山梨県甲府市で信用金庫の大里支店に勤務する新人社員、内田友紀さん(19歳)が身代金目的で誘拐された後に殺害された。

犯人として自動車のセールスマンである宮川豊(38歳)が逮捕・起訴された。

犯行の経緯や動機

犯人の宮川は自動車のセールスマンで販売実績を上げるために架空契約をしていた。更にホステスの愛人へ交際費を支払っており、約7000万円の借金があった。

当事件の被害者である内田さんは甲府信用金庫の支店で勤務する新人社員であった。

事件当日の1993年8月10日午後2時50分頃、犯人の宮川は地元メディアの記者を騙り信用金庫の本店へ電話して本日中に内田さんの取材をしたいと依頼。

勤務時間終了後である午後5時40分頃、内田さんは信用金庫前で宮川の差し向けたタクシーに乗って待ち合わせ場所の体育館に向かって午後6時頃に体育館職員と会話したのを最後に行方不明となった。

翌11日午前8時20分頃、内田さんが帰宅していないことで父親が支店へ電話。その際に宮川から支店へ、職員を誘拐した旨と11時までに4500万円を用意するよう身代金を要求する電話が入ったため、応対していた支店長から山梨県警へ通報した。

その後も宮川は30分から1時間おきに身代金要求の電話を掛け、県警は逆探知で犯人の居場所特定を試みた。

同日午後3時頃、宮川は支店長に対して府市中小河原町にある喫茶店の珈琲待夢に身代金を持って来るよう指示。喫茶店に到着した支店長に対して約4.5km離れた中央自動車道甲府インター近くのガソリンスタンドへ移動させて午後5時頃、再び電話で同インターから約2km先にある中央自動車道の104km地点から現金を投げ捨てるように指示。宮川は内田さんについて中央道釈迦堂パーキングエリアに停めた車の中にいると話した。

午後5時54分に支店長が4500万円の入った2つのバッグを指定された場所に置くも、宮川は誤って105km地点で待機していたため身代金受け取りは行われなかった。

宮川は内田さんを誘拐当日に殺害。遺体を富士川上流の笛吹川から流した。

17日午前11時半、富士川左岸で釣りに来ていた男性が内田さんのうつ伏せになっている遺体を発見して通報。遺体は下着姿で頚部に粘着テープが巻かれていた。司法解剖により死因は頚部圧迫によるショック死と判明した。

声紋鑑定の結果等がメディアで報道されたことで宮川の知人が当事件の犯人が宮川であると確信して説得。24日朝、宮川は知人へ自首すると話して任意同行され逮捕となった。

判決とその後

甲府地裁で公判が開かれて宮川は犯行を全面的に認めたため、自主の有効性が争点となった。

地裁は自主を否定して宮川へ無期懲役の判決が下された。

検察側が控訴するも棄却され、両者共に上告しなかったため1996年5月1日に刑が確定した。